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高温に対する農作物の技術対策について

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年8月12日更新

 平成28年8月4日に広島地方気象台から発表された1か月予報によると、向こう1か月の平均気温は、「高い」確率が70%、例年になくお盆以降も高温、乾燥による農作物への影響が心配されます。

つきましては、今後の気象情報に注意するとともに、次の対策を参考にしてください。

1 水稲

(1)適正な水管理による根の活力維持

  ・穂ばらみ期~出穂期は湛水を保つが、それ以外の生育期間中は間断かんがいに努め、根の活力を維持する。

  ・用水が豊富な地域では、出穂期以降に高温(猛暑日、熱帯夜)が続く場合は、かけ流しや夜間かん水等を行い、地温を低下させる。

(2)早期落水防止による玄米品質の維持

   ・落水が早すぎると玄米品質が低下するので、落水時期は出穂30~35日以降を目安とする。また、落水後も田面が白乾きする場合は、走水をする。

(3)適期収穫

・登熟期が高温で経過すると、予想以上に成熟期が前進することがあるので、青味籾率等を参考に登熟の進み具合を確認し、早めに収穫作業の準備を行い、適期収穫に努める。

2 白大豆・黒大豆

・開花期~着莢期の土壌水分不足は、落花・落莢によって着莢数が減少して、減収につながる。一週間以上降雨がなく、ほ場が乾く(白大豆では、日中に葉の50%以上が反転する)場合、畦間かん水を行う。ただし、長時間かん水すると茎疫病の発生が増加したり、根傷みしやすいので注意する。

   

3 果樹

(1)もも

   ・高温下では成熟の遅延や果肉先熟、果肉障害を引き起こしやすいので、成熟期に注意して収穫を行う。

   ・草生園で草が伸びている場合は、除草を行い敷草とする。

   ・表層根を保護するため、敷きわら(敷草)を実施する。

   ・極端な乾燥状態時に大量のかん水を行うと果肉障害等の発生が心配されるため、1回当たりのかん水量は少なくして間隔を短くする。

   ・早期落葉を防止するため、モモハモグリガ、ハダニ類等の防除を徹底する。

(2)ぶどう

   ・果肉の軟化や日持ちの低下を避けるため、成熟期に達した果実は早くに収穫する。

   ・表層根を保護するため、敷きわら(敷草)を実施する。

   ・極端な乾燥状態時に大量のかん水を行うと裂果の発生が心配されるため、1回当たりのかん水量は少なくして間隔を短くする。

  ・早期落葉を防止するため、ハダニ類等の防除を徹底する。

(3)なし

   ・成熟期に達した果実は早くに収穫する。

   ・表層根を保護するため、敷きわら(敷草)を実施する。

   ・早期落葉を防止するため、ハダニ類、グンバイ類等の防除を徹底する。

4 野菜

(1)夏秋トマト

  ・敷きわら等をして土壌の乾燥と地温の上昇を防ぐ。

  ・日射が急激に強くなるため、蒸散量の増加による茎葉の萎れや尻腐果などの生理障害が発生しやすくなるので、生育ステージに応じたかん水管理に努め、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。  

  ・尻腐果の発生が予想される場合は、開花している花房とその上の花房の周辺葉に塩化カルシウムの200倍(0.5%)液を葉裏に向けて葉面散布する。

  ・盛夏時のホルモン処理(トマトトーン)は、150~200倍液で早朝の涼しい時間帯に処理する。草勢が強く空洞果の発生が心配される場合は、トマトトーンにジベレリンを濃度5~10ppmになるように加用する。

  ・マルハナバチを利用している場合は、巣箱が32℃以上になると活動が低下するので、寒冷紗等で遮光する。

  ・高温下(日平均気温28℃以上)になると稔性花粉量が低下するので、マルハナバチを利用している場合でも、トマトトーンを処理し、着果を確実にする。

  ・果実収穫後に25℃以上の高温や強い直射日光に当たると黄変果になりやすいので、出荷調整は涼しい場所で行い、直ちに予冷する。

(2)夏秋きゅうり

  ・敷きわらをトマトに準じて行う。マルチをしている場合はマルチの上に敷きわらを行う。

  ・日中に葉の萎れがみられる場合は、敷きわらを厚くして地温の上昇を防ぐとともに、吸水量に応じたかん水をする。

  ・草勢が弱い場合は、不良な幼果等を摘除し、液肥を施用して草勢の低下を防ぐ。

(3)夏秋なす

  ・敷きわらをトマトに準じて行う。マルチをしている場合はマルチの上に敷きわらを行う。

  ・日射量や生育ステージに応じたかん水管理に努めるとともに、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。

(4)アスパラガス                            

  ・たい肥マルチを十分に行い、土壌水分を保つ。

  ・できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。

(5)キャベツ、はくさい、レタス、ブロッコリー

   ・育苗中は、施設を寒冷紗で遮光し、気温の低い午前中を中心にかん水する。セル成型苗等では、かん水不足やかん水ムラに注意するとともに、徒長防止のため日没頃には過剰な水分が残らないようにする。

   ・本ぽの土壌が乾燥している場合は、散水等により土壌水分を適湿にした上で、耕うん、施肥、マルチ、定植を行う。

   ・ハイマダラノメイガ、コナガ、キスジノミハムシは高温、乾燥で多発しやすいので、防除を徹底する。

5 花き

(1)りんどう

  ・条間や畝間に敷きわら等をして地温上昇と乾燥の防止に努める。特に、西日が強く当たる畝に有効である。

  ・土壌が極端に乾燥すると生育が抑制され、特に、花穂の形成期には花飛びが発生する。にわか雨等少量の雨では、適度な土壌水分状態にならない場合があるので積極的に畝間かん水等を行う。ただし、湛水状態のままにしないようにし、適切な土壌水分状態になったら、すみやかに排水を行う。

  ・出穂期以降に高温が続くと花弁の着色障害が発生するので、50%を限度に遮光を行う。

  ・降雨後に白絹病や葉腐病が発生しやすいので、発病が予想されるほ場は予防に努める。

(2)き く

  ・条間や畝間に敷きわら等を行い、乾燥を防ぐ。

  ・過度な土壌の乾燥は、品質の低下や生育の遅れをまねくので、適切なかん水管理を行う。特に、破蕾期の前後は十分にかん水する。

(3)トルコギキョウ

  ・ハウス内の通風、換気をはかり、施設内温度の低下に努める。可能ならば、施設の妻の部分を開放する。

  ・草丈伸長中の作型では、晴天時には寒冷紗等による遮光を行い、施設内温度を下げる。また、適切なかん水管理に努める。

(4)花き全般

  ・高温乾燥により、ハダニ類やアザミウマ類が増加しやすくなるので、発生を見逃さないように観察し、初期防除を徹底する。

6 畜産

(1)大家畜(乳用牛・肉用牛)

   ・気温の上昇とともに採食量が減少し、乳用牛では泌乳量の減少、乳成分の低下、肥育牛では増体量の低下が起こるので、牛舎の防暑対策、牛体からの熱放散の促進、飼料給与の改善など総合的な対策を行う。

   ・牛舎は、直射日光の遮断(寒冷紗)や屋根散水、断熱材の利用、白色塗装やドロマイト石灰塗布(屋根)等の防暑対策を行う。

   ・換気扇や送風機を使用し、牛舎内の乾燥や体熱の放散に努める。乳用牛に対する牛体送風については、夜間~早朝が特に効果的である。

   ・高品質で消化の良い粗飼料を与えるようこころがけ、エネルギー濃度の高い飼料は、多回数に分けて給与する。同時に、ミネラルとビタミンも補給する。

   ・ウオーターカップ等を点検し、新鮮な水が十分飲めているかを確認する。

   ・牛舎周辺の除草や排水溝の整備を行い、衛生害虫の駆除に努める。

(2)豚

   ・豚は体温調節機能が劣り、高温になるとストレスから受胎率が低くなったり、肥育豚では採食量の減少により、増体量が低下するので防暑対策を徹底する。

   ・牛舎と同様の防暑対策を行うとともに、豚舎を開放し通風乾燥に努める。

   ・肥育豚は飼育密度を少なくする。

   ・ふん尿をこまめに搬出する。

(3)鶏

   ・気温が上昇すると採卵鶏では産卵率や卵重の低下、ブロイラーでは増体量の低下が起こるので、鶏舎の断熱材や寒冷紗の設置により輻射熱を遮断する。

(4)飼料作物

  (1)とうもろこし

   ・ソルガムに比べ耐干性に弱く、土壌の乾燥が続くと下葉の枯れ上がりにより収量が低下するので、転作田やかん水施設のある畑ではかん水を行う。

   ・サイレージ用の収穫適期は黄熟期であるが、干害により萎れて生育の回復が困難と判断されるものについては早目に収穫し、利用する。

   (2)ソルガム類(ソルゴー・スーダングラス)

   ・耐干性は強いが、土壌の乾燥が続く場合にはとうもろこし同様の対策が必要である。

   ・幼植物には青酸含量が多いため、草高60cm以上になってから利用する。

   ・一番草の刈取り高さは地上10cm程度とし、二番草の再生を促す。

                             農作業中の熱中症に注意

 暑熱環境下での農作業は、熱中症(熱射病、熱けいれん、熱まひ等)を発症しやすいので、次の事項に注意してください。

・日中の気温の高い時間帯を外して作業を行うとともに、休憩をこまめにとり、作業時間を短くする等、作業時間を工夫する。水分をこまめに摂取し、汗で失われた水分を十分に補給する。特に気温が著しく高くなりやすい施設内での作業では、十分に注意する。

・帽子を着用するとともに、汗を発散しやすい服装をする。作業場所には日よけを設ける等、できるだけ日陰で作業するように努める。

・作業施設は遮光や断熱材の施工等により、室内温度が著しく上がらないようにするとともに、室内の換気に努める。