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農作物の春期の技術対策と晩霜対策について

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月9日更新

農作物の春先の技術対策と晩霜対策について 

 広島地方気象台が平成28年2月24日に発表した3か月予報によると、3~5月の中国地方の気温は「高い」の確率が60%、降水量は「多い」確率が50%と予想されています。春先は気温の変動が大きく、晩霜による低温障害や施設栽培での高温障害などの発生のおそれがありますので、今後の気象情報に注意してください。

1 春先の技術対策

 果 樹

 (1)もも、なし、かき

    ・発芽前の薬剤散布は、芽の生育状況を十分確認した上で遅れないように行う。

   ・根の活動は気温の上昇に伴い活発になるので、降雨が少ない状況が続く場合はかん水を行う。

    ・養水分吸収の競合を防ぐとともに、地温の上昇を妨げないように早めに除草する。

 (2)ぶどう(施設栽培)

   ・春先は気温の変動が大きく、晴天時に高温障害を受けやすいので、天候に応じたこまめな温度管理を行う。

   ・発芽後は施設内の二重カーテンは朝早めに開放し、高温・多湿を防ぐとともに日当たりを良くする。

   ・発芽後はかん水を控えめとするが、土壌が乾燥しすぎないようにする。

   ・高温が続くとハダニ類などの施設内越冬害虫の発生時期が早まるので、早期発見・早期防除に努める。

  ・例年うどんこ病の発生がみられる施設では、発病前防除に努める。

 (3)ぶどう(簡易被覆栽培)

      ・発芽前の薬剤散布は、芽の膨らみ具合など生育状況を十分に確認し、遅れないように行う。

      ・根の活動は気温の上昇に伴い活発になるので、降雨が少ない状況が続く場合は、かん水を行う。

      ・養水分吸収の競合を防ぐとともに、地温の上昇を妨げないように早めに除草する。

  野 菜

 (1)施設栽培

    ・気温の変動が大きく、晴天時には高温障害を受けやすいので、天候に応じたこまめな温度管理を行う。また、夜間の急激な冷え込みに対応できるように、加温機や保温資材を準備しておく。

    ・多湿条件下では灰色かび病などが発生しやすいので、排水対策と換気を十分に行い、施設内の湿度低下に努める。加温機を利用した早朝加温も病害の発生抑制に効果がある。

    ・薬剤散布は午前中に行い、夕方には散布した薬液を乾かし、施設内湿度の上昇を防ぐ。

    ・病葉や病果は早めに除去し、ほ場外で処分する。

    ・高温が続くとアブラムシ類やハダニ類などの発生時期が早まるので、早期発見・早期防除に努める。

 (2)トンネル栽培及び露地栽培

    ・トンネル栽培では、昼間の急激な温度上昇が起きやすいので換気に注意する。また、夜間の急激な冷え込みに対応できるように、不織布やこもなどの保温資材を準備しておく。

    ・キャベツ、えんどうなどの露地野菜では、気温の上昇とともに生長が急激に早くなるため、かん水や追肥が遅れないように注意する。

    ・菜種梅雨など降雨の続く時期には、べと病、灰色かび病、菌核病などの病害が発生しやすいので、病葉や病株を除去し、ほ場外で処分する。

  花 き

 (1)施設栽培

    ・気温の変動が大きく、晴天時には高温障害を受けやすいので、天候に応じたこまめな温度管理を行う。換気扇などは早めに点検・整備を行っておく。

        ・生育が急激に進みやすい時期なので、施肥やかん水に注意し、適期に行う。

        ・この時期は、日中と夜間の温度差が大きく、結露などにより病害が発生しやすい環境となるので、適切な換気と予防のための薬剤防除を徹底する。

 (2)露地栽培

        ・しゃくやく、りんどう、きくなどの宿根草では萌芽時期となるので、生育状況を把握し、基肥の施用は適期に行う。

        ・明きょや排水路が浅くなっている場合は、ほ場に入れるようになったら早期に点検と再整備を行い、ほ場の 排水を促して湿害防止に努める。

   ・りんどうなどで冬期に露地で常設している支柱やネットは、緩みの点検・再整備を茎の伸長前までに行う。

        ・天候不順により畝立てなどの定植準備が計画どおりに出来ない場合があるので適度な土壌水分の時に早めに畝立てやマルチ設置を行い、計画的に定植する。

  飼料作物

 (1)イタリアンライグラス

    ・生育は気温の上昇とともに早くなり、早生系品種では4月下旬~5月中旬頃が収穫時期となるので、早めに追肥を行う。

    ・湿害防止や収穫作業の効率化を図るため、ほ場の排水対策を行う。

    ・サイレージ調製において水分は70~75%(ロールベールサイレージは50%程度)になるよう予乾する。

 (2)トウモロコシ

    ・播種期は地域の晩霜時期を考慮して決定するが、概ねソメイヨシノの満開時期である。

    ・滞水や過湿に弱いので、明きょや暗きょなど排水対策を徹底する。

2 晩霜対策

 水 稲

 (1)事前対策

    ・低温に伴う苗立枯病(ピシウム菌)やムレ苗の発生を回避するため、播種時に殺菌剤のかん注などを行っておく。

    ・トンネルなどで育苗中の場合でも、低温が予測される時には、夜間は保温資材で二重被覆として保温対策を十分に行う。

    ・硬化期になって被覆を取り除いた後も、寒波時に備えてトンネル被覆ができるようトンネル支柱を残しておく。

    ・異常低温や強風時の移植は避ける。天候の回復を待って移植し、早朝に入水し昼間は止め水とするなど水温の上昇を図り、活着を促進する。

    ・本田移植後に晩霜が予測される時は、夜間深水管理とする。

 (2)事後対策

    ・育苗中の苗が被害を受けた場合は、生育回復のため追肥(水10リットルに対して硫安30gを溶かして、箱当たり約500ml施用)を行う。

    ・苗立枯病やムレ苗が多発した場合は回復が見込めないので、早急に播き直すなど苗の確保を図る。

    ・移植後に被害を受けた場合は、水温上昇に努め、被害が激しい場合は追肥を行って生育を促進する。

 果 樹

 (1)もも

  • 事前対策

      ・晩霜による被害が予測される園地では、摘蕾を控えめにして花数を多く確保しておく。

      ・雑草が繁茂している場合や敷きわら(草)を早くから行うと地温の放熱を妨げ霜害が助長されるので、除草を徹底し、敷きわらは晩霜がなくなる時期まで控える。

      ・開花後は生育が進むに伴い低温に弱くなるので、降霜が予想される場合は、燃焼法などで防霜に努める。(燃焼法を行う場合は、事前に管轄の消防署等に届け出をする必要がある。)

      ・冷気が停滞しやすい園地では、防風ネットのすそを開けて冷気を排出する。

  • 事後対策

          ・開花期に凍霜害を受けた場合、人工授粉が必要な品種では、開花が遅れている花にも丁寧に受粉を行い結実数を確保する。

          ・開花期~幼果期に凍霜害を受けた場合は、摘果を遅らせ健全果と被害果の判定ができるようになってから摘果する。

          ・被害が大きく着果量が少なくなった場合は、枝葉が過繁茂になるので、追肥・葉面散布は見合わせて、ねん枝などの枝管理を徹底する。

    (2)ぶどう

  • 事前対策

         (ア)施設栽培(無加温)

               ・晩霜が予測される時期は、日中の気温が高い時に地表面に散水し、地中への蓄熱を図る。

         (イ)簡易被覆栽培

               ・被覆時期は遅めにして、生育を早めない。

               ・雑草が繁茂している場合や敷きわら(草)を早くから行うと地温の放熱を妨げ霜害が助長されるので、除草を徹底し、敷きわらは晩霜がなくなる時期まで控える。

               ・発芽後は生育に伴い低温に弱くなるので、晩霜が予測される場合は、燃焼法などで防霜に努める。(燃焼法を行う場合は、事前に管轄の消防署等に届け出をする必要がある。)

               ・冷気が停滞しやすい園地では、防風ネットのすそを開けて冷気を排出する。

  • 事後対策

              ・主芽が被害を受けた場合は、副芽を利用して枝数を確保する。

              ・生育初期に被害を受けた場合は、その後の生育が劣るので、生育状態に応じて新葉の展開後に葉面散布を行う。

              ・被害が大きく着果量が少なくなった場合は、枝葉が過繁茂になるので、追肥や葉面散布は見合わせて、ねん枝や摘心などの枝管理を徹底する。

 (3)なし、かき

  • 事前対策

              ・晩霜による被害が予想される園地では、摘蕾を控えめにして、花数を多く確保しておく。

              ・雑草が繁茂している場合や敷きわら(草)を早くから行うと地温の放熱を妨げ霜害を助長するので、除草を徹底し、敷きわらは晩霜がなくなる時期まで控える。 

              ・開花・発芽後は生育に伴い低温に弱くなるので、晩霜が予測される場合は、燃焼法などで防霜に努める。(燃焼法を行う場合は、事前に管轄の消防署等に届け出をする必要がある。)

              ・冷気が停滞しやすい園地では、防風ネットのすそを開けて冷気を排出する。

  • 事後対策

              ・開花期に凍霜害を受けた場合は、開花が遅れている花にも丁寧に人工受粉を行い結実数を確保する。

              ・開花期~幼果期に凍霜害を受けた場合は、摘果を遅らせ健全果と被害果の判定ができるようになってから摘果する。

              ・生育初期に被害を受けた場合は、その後の生育が劣るので、生育状態に応じて、新葉の展開後に葉面散布を行う。

               ・被害が大きく、着果量が少なくなった場合は、枝葉が過繁茂になるので、追肥や葉面散布は見合わせて、ねん枝などの枝管理を徹底する。

 野 菜

 (1)事前対策

       ・ハウス及びトンネル栽培の果菜類では、ビニルの内側に接触している茎葉をあらかじめ離しておく。凍霜害の恐れがある場合には、換気を早めに中止し、ビニルを厳重に密閉し、夜間の温度を高めに保つ。                

       ・露地では発芽後や定植後に霜の被害を受けないように、地域の晩霜時期を考慮して播種時期や苗の定植時期を決める。

       ・キャップ栽培や霜に弱い露地野菜は、不織布やこも、わらなどで覆い、日の出とともにすみやかに取り除く。

   (2)事後対策

       ・凍霜害を受けた場合は、寒冷紗や不織布で覆い急激な解凍による被害の拡大を防ぐ。 また、被害茎葉を除去し、状況により薬剤散布や、新芽の発生を促進するために葉面散布剤を散布する。

       ・凍霜害の被害が甚大で回復不能な場合は、まき直しや植え直しを行う。

 花 き

   (1)事前対策

        ・施設栽培で凍霜害の恐れがある場合は、換気を早めに中止し、保温に努め、夜間温度を保つ。 また、カーテンの合わせ目や出入り口等、隙間が発生しやすいところを点検し、保温力を高める。被覆の追加や補助暖房が可能ならば行う。

        ・普段の管理においては、換気不足などで軟弱徒長の生育にならないように注意する。

        ・伸長を開始している品目や被害を受けることが予想される品目においては、寒冷紗や不織布等で被覆する。被覆材の設置を行う場合、植物体が被覆部分に触れていると、その部分が凍害を受けやすいので、設置時には注意する。

    (2)事後対策

        ・被害部から腐敗や病害が発生しやすいので切除可能な部位ならば被害部を除去し、適切な防除を行う。

        ・新芽の発生を促進させ、回復を早めるために、葉面散布剤の散布を行う。

 茶

  (1)事前対策

     ・晩霜が予測される時は被覆を行う。直接被覆は防霜効果が劣るので、トンネル掛けなど間接被覆を行う。

    樹冠面(摘採面)から被覆位置までの距離は、柵掛けで60cm以上、トンネル掛けでも40cm以上とする。

    ・防霜ファン設置園では萌芽前15日頃から運転を始める。その場合のセット温度は3℃とする。

     ・敷きわらや敷き草を早くから行うと地温の放熱を妨げ霜害が助長されるので、晩霜の危険がなくなるまで控える。

    なお、すでに敷きわらをしているところでは、わらを株元に入れ込む。

    ・スプリンクラーによる散水氷結法は、水が確保できれば最も確実な防霜法である。必要水量は、散水時間(6時間程度)を考慮すると、10aあたり18~24平方メートルが必要である。サーモスタットは、茶園で最も温度が高くなる茶株面の頂部におき、散水開始設定を2℃とする。散水停止は、日の出後30分くらい経過し、5℃程度まで気温が上昇した時とする。

     (2)事後対策

     ・被害を受けた園では早めに速効性窒素肥料を成分量で10kg/10a程度施用する。

     ・摘採期を間近にひかえて霜害を受けた園では、被害部分を除去するため軽く整枝を行ったり、被害のない葉のみ適採を行う。

     ・被害を受けた園では、ハダニ類の被害が多くなるので発生に応じて薬剤散布を行う。