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農作物の冬季管理と低温・降雪対策について

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年12月6日更新

 広島地方気象台が平成28年11月25日に発表した3か月予報によると、12月の気温は高い確率が40%となっていますが、1月、2月の気温は低い確率が40%となっています。これからの時期は低温や降雪による農作物への影響が心配されます。
 つきましては、今後の気象情報に十分注意するとともに、次の対策を参考にしてください。

 

 1 冬季管理

(1)水稲

・稲わらは、地力維持のため焼却せず、できるだけ早い時期にすき込んで分解を促す。

・土壌の肥沃度を高めるため、たい肥等の有機物を施用するとともに、土壌の化学性に応じてケイ酸資材、含鉄資材、リン酸資材等の土づくり資材を施用する。

・作土の浅いほ場やち密な盤層が形成されているほ場は、深耕によって十分な有効土層を確保する。盤層を破砕する場合、下層土の状態等を考慮して、漏水が著しくならないように注意する。

・排水不良田では、耕起前に砲弾暗きょを設けて土壌の乾燥を図る。作土及び下層土を乾燥させるには、ディスクプラウ等による畝立耕が有効である。

 

(2)麦類

・生育不良を防ぐため、は種後早くに明きょを設置し排水口と繋げておく。

・茎数を確保するため、追肥は2月上旬~中旬頃に施用する。

・小麦では幼穂長30mm期(4月上・中旬)に、速効性窒素成分2~3kg/10aの穂肥を施用する。なお、施肥量は生育量や葉色を見て調整する。

 

(3)果樹

(1)共通
・排水不良園では、樹間部や園地周辺に暗きょ、明きょ(排水路)等の排水対策を実施する。

・乾燥が続く場合は、土づくりを実施した部分を重点にかん水を行い、根の保護とともに土壌水分の保持及び肥料の分解促進に努める。

・病害虫の越冬を少なくするため、落葉やせん定枝などの処分を徹底する。

・軟弱徒長的に生育して落葉時期が遅かった樹は、せん定時期をやや遅らせる。

(2)ぶどう
・1月下旬以降の加温栽培では、燃料節減のため予備保温期間を設ける。

・無加温ハウス栽培では、早期に被覆すると発芽後の霜害や低温により生育不良が生じる 場合があるので、二重被覆では2月上旬以降、一重被覆では2月中旬以降に被覆する。 なお、積雪が心配される地域や最低気温が低い地域では少し遅らせる。

 

(4)野菜

(1)共通
・施設内は湿度が高くなりやすく病害が発生しやすいので、温度が確保できる日中には換気に努めるとともに、定期的に薬剤防除を行う。

(3)いちご(施設栽培)
・草勢の低下や休眠が発生しやすいので、草丈25~28cm程度を目安に温度管理、電照管理を行い、草勢を維持する。

・黄化葉、枯葉、病葉を早めに摘葉するとともに、玉だしを行い、採光をよくする。

・最低夜温度5~8℃を確保し、果実品質の低下防止と草勢維持を図る。

(5)花き

(1)共通
・施設内は湿度が高くなりやすく病害が発生しやすいので、温度が確保できる日中には換気に努めるとともに、定期的に薬剤防除を行う。

・各品目の花芽分化~花芽発達時期の温度管理は、切り花品質を大きく左右するため過不足がないように管理を徹底する。

・施設へのすきま風の侵入がないように、被覆材のつなぎの部分は点検する。

(2)りんどう
・残した茎葉が枯れてきたら、株元から切り取り、株の整理をする。

・株整理を行った後、凍害を防ぐためにバークたい肥や稲わら等でマルチを行う。稲わらを利用する場合は、風で飛ばされないようにフラワーネット等で押さえる。

・タヌキ等によりフラワーネットが被害を受ける場合、敷わら等の押さえ以外のフラワーネットは引き上げておく。降雪時、フラワーネット上に雪が積もるのを防ぐために、各ネットは引き上げた時、間隔を開けておく。

(3)きく
・年末出し電照ぎくは、昼間の温度管理は25℃を目安に換気を行い徒長を防ぐ。 

 

(6)飼料作物(イタリアンライグラス・永年牧草)

・早春(2月下旬~3月上旬、または雪解け後)に施肥を行い、生育を促進する。施肥量は、窒素、加里成分を各々5~8kg/10a施用する。

 

2 低温・降雪対策

(1)施設栽培(品目共通)

・パイプの接合部などを中心に点検を実施するとともに、筋かいや補強用の柱を取り付け、ハウスの強度を高める。

・ハウスの屋根に防風用ネットをかけている場合は、雪の滑降を妨げるので取り除く。

・燃油残量を確認するとともに暖房機が正常に機能するかを事前に確認しておく。

・降雪が予想される際は、日中でも早めに暖房機を運転し、内張りを開放して融雪を促す。

・ハウスの屋根に積もった雪は、早めにハウスサイドに落とす。ハウスサイドの雪も早急に排除する。

・ハウスが積雪に耐えられないと予想される場合は、事前に被覆を除去しておく。雪害後は、直ちに破損部を補修する。

(省エネ対策)
・暖房機の掃除、保守点検、サーモスタット(暖房機・換気扇)の点検を行うとと もに、温度むらのないようにダクトを配置する。
・多層被覆により熱効率を高めるとともに、すきま風の遮断、カーテンの密閉等被覆資材の保守点検を行い気密性を高める。
・作目に応じた適正な温度管理を徹底する(変温管理を行う場合は、設定した時間帯と温度の確認および運用後の生育状況をチェックする)。

 

(2)果樹

・ぶどうやなしでは、棚の点検、補修を行う。特に、棚上にトンネルビニルや防鳥網等があると雪が付着しやすくなるので必ず除去する。

・防寒対策として、ぶどうでは主幹部を、ももでは地際から50cm程度の高さを稲わらなどの資材で保温する。稲わらを用いる場合は、約5cmの厚さで巻き付け、ひもで固定する。

・急激に肥大した若木や充実が悪い樹では寒さの影響を受けやすいため、せん定は2月以降に行う。

・かんきつ等では、防寒対策のため厳寒期には不織布等で樹体を覆い、枯死や落葉を防ぐ。

 

(3)野菜・花き

・露地栽培及びトンネル栽培では、低温時に不織布、こも、ビニル等で防寒する。

 

(4)畜産(ビニルハウス利用畜ふん乾燥施設)

・降雪が予想される際は、妻面と側面のビニルを閉めてハウス内温度を高め融雪を促す。

・降雪時にはビニルハウスを巡視し、屋根に積雪した場合は早めに雪下ろしを行う。

・雪下ろしが困難な場合は、撹拌機の運転を中止して、ビニルハウスの中央部に丸竹や間伐材を利用して補強用の支柱を取り付け、ハウスの強度を高める。積雪量の多い地域で は鉄パイプの専用支柱を装備しておくことが望ましい。

・ビニルハウスが積雪に耐えられないと予想される場合は、ビニルを破って雪を下ろし、ハウスの倒壊を防ぐ。

 

(5)農業機械

・防除用の動力噴霧器、ポンプ類、洗車機等は凍結による破損を防ぐため、水を完全に抜くか、加温するなどの対策を行う。