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梅雨明け後の農作物栽培技術対策について

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年7月14日更新

 平成29年6月23 日に広島地方気象台から発表された3か月予報によると、向こう3か月の平均気温は、「高い」確率が50%、降水量は「多い」または「平年並」の確立がともに40%となっています。また、7月6日発表の1か月予報では、気温が「高い」確率が60%と高くなっており、高温、多湿による農作物への影響が心配されます。

 つきましては、今後の気象情報に注意するとともに、地域の実態に応じた対策をお願いします。

1 水稲

(1)肥培管理と水管理

  ・穂肥は、草丈や葉色、幼穂の長さなどの生育状況に応じて、施用時期と量を決める。

  ・穂ばらみ期~出穂期は最も水を必要とする時期なので、水を切らさないようにする。

  ・出穂後は間断かんがいを継続する。落水は出穂後30日を目安にほ場の排水状況をみて行うが、早期落水とならないよう注意する。

  ・分げつ期が高温の場合は、間断かんがいを行い水温・地温の上がりすぎを抑える。

(2)病害虫防除

  ・曇雨天が続くと、いもち病が多発する場合があるので、早期発見・早期防除を心がける。葉いもちの発生が見られたほ場では、直ちに防除を行い、窒素の施用量を控える。さらに、穂いもち予防(液剤、粉剤の場合)として出穂直前と穂首出揃期の2回防除を行う。

  ・過繁茂のほ場では紋枯病が発生しやすいので、発生状況を観察し、適期防除に努める。

  ・斑点米カメムシ類は出穂の早い水田に集中的に飛来する傾向がある。また、発生のピークが出穂期~穂揃期と一致する極早生品種や早生品種は被害が出やすい。例年被害が多い地域では、小型カメムシが多い場合は穂揃期とその7日後、大型カメムシが多い場合は穂揃期3~7日後とその7日後の2回防除を行う。また、出穂2週間前までに、畦畔や法面など水田周辺の除草を行っておく。

  ・「坪枯れ」の原因となるトビイロウンカは、イネの株元に多く、ほ場内で局所的に発生するので見つけにくいが、ほ場での発生状況確認に努めるとともに、今後の発生予察情報等に注意し、出穂期前後の基幹防除を徹底する。

(3)登熟期の異常高温対策

    ・根の活力を低下させないため、出穂後は間断かんがいを励行する。用水が豊富な地域では、猛暑年にはかけ流しかんがいを行う。

    ・全量基肥一発肥料(肥効調節型肥料)であっても、栽培期間中の高温・多照の影響により肥効が早期に切れる場合は、葉色・草丈等生育状況を見て、穂揃い期までに追肥を行う。

  ・早期落下すると未熟粒が増加しやすいので、出穂後30日以降を目安に落水する。

2 白大豆・黒大豆

  ・中耕培土は1回目を本葉3~4葉期頃に初生葉節まで、2回目は本葉5~6葉期頃に本葉1葉節まで行う。開花期に入ってからの中耕培土は、断根により生育に影響がでるので行わない。

  ・開花期~着莢期の土壌水分不足は、落花・落莢によって着莢数が減少して、減収につながる。一週間以上降雨がなく、ほ場が白く乾き、ヒビ割れる場合は、畦間かん水を行う。ただし、長時間かん水すると茎疫病の発生が増加したり、根傷みしやすいので注意する。

  ・開花期~若莢期に紫斑病、シンクイムシ類、カメムシ類の防除を行う。

   ・茎疫病は発生株を放置せず、見つけ次第抜き取り、ほ場外へ持ち出し処分する。

3 果樹

    (1)もも

    ・防草マルチや敷きわら等により水分の保持に努める。

    ・かん水施設がある園地では、晴天が続く場合5~7日間隔で20~30mm程度のかん水を行う。

    ・防水マルチを設置している園地では過乾燥に注意し、適切マルチを除去してかん水する。また収穫後は早くにマルチを除去する。

    ・高温乾燥が続くと成熟の遅れを招くことがあるので、熟度に注意して収穫する。

    ・徒長枝除去や枝つりを行い、結果部位および樹冠内部の日当たりを向上させる。

    ・カメムシ類やハダニ類の発生が認められた場合、早期に薬剤散布を行う。

    ・果実吸蛾類の耕種的防除法である黄色灯は、光ムラがないように設置する。

    (2)ぶどう

    ・土壌水分の損失を防ぐため、除草を行うとともに敷きわら等を行い、水分の保持に努める。

  ・かん水施設がある園地では、晴天が続く場合5~7日間隔で20~30mm程度のかん水を行う。

    ・着色期の高温を防ぐため、無加温ハウス及び簡易被覆栽培では、梅雨明け後、直ちに、ビニル等の被覆資材を除去する。なお、除去は曇天か夕方に実施し、葉焼けを防ぐ。除去した後は無機銅剤等を散布し、べと病、さび病による早期落葉を防止する。

    ・葉が傷んでいる場合は再度摘房し、着果量を見直す。

    ・副梢の伸長が旺盛な場合は、早めに摘心し過繁茂を防ぐ。

    ・収穫後は、枝管理・かん水・病害虫防除を計画的に行い、早期落葉の防止に努める。

    (3)なし

    ・敷きわら等を行い水分の保持に努める。

    ・かん水施設がある園地では、晴天が続く場合5~7日間隔で20~30mm程度のかん水を行う。

    ・徒長枝は早めに捻枝、誘引し、日当たりの向上を図る。なお、枝が込み合っている場合、日当たりを妨げるような発育枝は切除する。

    ・ハダニ類の発生が認められた場合、早期に薬剤散布を行う。

4 野菜

(1)夏秋トマト

  ・敷きわら等をして土壌の乾燥と地温の上昇を防ぐ。

  ・ハウス裏面のビニルを除いて通風を向上させ、ハウス内の温度と湿度を下げる。

  ・日射が急激に強くなるため、蒸散量の増加による茎葉の萎れや尻腐果などの生理障害が発生しやすくなるので、生育ステージに応じたかん水管理に努め、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。  

  ・尻腐果の発生が予想される場合は、開花している花房とその上の花房の周辺葉に塩化カルシウムの200倍(0.5%)液を葉裏に向けて葉面散布する。

  ・盛夏時のホルモン処理(トマトトーン)は、150~200倍液で早朝の涼しい時間帯に処理する。草勢が強く空洞果の発生が心配される場合は、トマトトーンにジベレリンを濃度5~10ppmになるように加用する。

  ・マルハナバチを利用している場合は、巣箱が32℃以上になると活動が低下するので、寒冷紗等で遮光する。

  ・高温下(日平均気温28℃以上)になると稔性花粉量が低下するので、マルハナバチを利用している場合でも、トマトトーンを処理し、着果を確実にする。

  ・果実収穫後に25℃以上の高温や強い直射日光に当たると黄変果になりやすいので、出荷調整は涼しい場所で行い、直ちに予冷する。

    ・葉かび病、すすかび病及び灰色かび病等の病害虫防除を徹底する。

(2)夏秋きゅうり

  ・敷きわらをトマトに準じて行う。マルチをしている場合はマルチの上に敷きわらを行う。

  ・日中に葉の萎れがみられる場合は、敷きわらを厚くして地温の上昇を防ぐとともに、吸水量に応じたかん水をする。

  ・草勢が弱い場合は、不良な幼果等を摘除し、液肥を施用して草勢の低下を防ぐ。

  ・古葉、病葉、重なり合って光合成が十分に行えない葉を除去するとともに、べと病や褐斑病、アブラムシ類等の病害虫防除を徹底する。

(3)夏秋なす

  ・敷きわらをトマトに準じて行う。マルチをしている場合はマルチの上に敷きわらを行う。

  ・日射量や生育ステージに応じたかん水管理に努めるとともに、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。

  ・防風、防虫を兼ねてメッシュの小さいネットをほ場の周囲に垂直張りする。

  ・ミナミキイロアザミウマやハダニ類等の早期発見に努め、密度の低いうちに防除を行う。

(4)アスパラガス                            

  ・たい肥マルチを十分に行い、土壌水分を保つ。

  ・できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。

  ・茎枯病や斑点病、アザミウマ類等の防除を徹底する。

    ・茎枯病の病徴がみられる茎葉は、ほ場の外に持ち出し、茎を立て替える。

(5)いちご

  ・寒冷紗による遮光などの昇温抑制対策を行う。特に、はればれプラントの小苗定植後やポット育苗のランナー切り離し後などは、萎れが発生しやすいので注意する。

  ・スプリンクラーかん水を行う育苗床では、かん水した水が、風に流されないように育床の周辺に寒冷紗を張る。また、かん水むらを手かん水で補正する。

  ・古葉、疫葉、ランナーを適切摘除し、株の生育を促す。

  ・疫病、炭疽病、萎黄病に注意し、罹病株の廃棄や薬剤防除を早めに行う。

(6)だいこん

  ・高温期に播種する作型は、土づくりを十分に行い生理障害の発生を軽減する。

  ・病害虫の早期防除を行う。特に、高温が続く場合はキスジノミハムシの多発が予想されるので注意する。

5 花き

(1)花とうがらし

  ・斑点細菌病、炭疽病の対策として予防的に薬剤散布を行う。

(2)フォックスフェイス

  ・高温乾燥が続くと落果が増える場合があるので、条間に敷きわら等を行うとともに、乾く場合は、かん水する。

(3)トルコギキョウ

  ・ハウス内の通風、換気をはかり、施設内温度の低下に努める。可能ならば、施設の妻の部分を開放する。

  ・草丈伸長中の作型では、晴天時には寒冷紗等による遮光を行い、施設内温度を下げるのが望ましいが、出蕾期以降はブラスチング発生のおそれがあるので行わない。また、適切なかん水管理に努める。

(4)りんどう

  ・条間や畝間に敷きわら等をして地温低下と乾燥防止に努める。特に、西日が強く当たる畝については、敷わらは有効である。遮光(30~50%程度)も地温低下と乾燥防止に有効である。

  ・土壌が極端に乾燥すると生育が抑制され、特に、花穂の形成期には花飛びが発生するので、畝間かん水等をする。にわか雨等では、適度な土壌水分状態にならない場合があるので注意する。また、湛水状態のままにしないようにし、適切な土壌水分状態になったら、すみやかに排水を行う。

(5)き く

  ・条間や畝間に敷きわら等を行い、乾燥を防ぐ。

  ・過度な土壌の乾燥は、品質の低下や生育の遅れをまねくので、かん水管理に注意する。特に、破蕾期の前後は十分にかん水する。

(5)アスターほか花き全般

  ・高温乾燥により、ハダニ類やアザミウマ類が多くなるので、発生を見逃さないように観察し、初期防除を徹底する。

  ・梅雨期は生育が軟弱気味になっていることが多く、薬剤散布の際に薬害が発生しやすくなっているので、防除は朝の涼しい時間帯に行う。

6 畜産

(1)大家畜(乳用牛・肉用牛)

   ・気温の上昇とともに採食量が減少し、乳用牛では泌乳量の減少、乳成分の低下、肥育牛では増体量の低下が起こるので、牛舎の防暑対策、牛体からの熱放散の促進、飼料給与の改善など総合的な対策を行う。

   ・牛舎は、直射日光の遮断(寒冷紗)や屋根散水、断熱材の利用、白色塗装(屋根)等の防暑対策を行う。

   ・換気扇や送風機を使用し、牛舎内の乾燥や体熱の放散に努める。乳用牛に対する牛体送風については、夜間~早朝が特に効果的である。

   ・高品質で消化の良い粗飼料やエネルギー濃度の高い飼料を、多回数に分けて給与する。同時に、ミネラルとビタミンも補給する。

   ・ウオーターカップ等を点検し、新鮮な水が十分飲めているかを確認する。

   ・牛舎周辺の除草や排水溝の整備を行い、衛生害虫の駆除に努める。

(2)豚

   ・豚は体温調節機能が劣り、高温になるとストレスから受胎率が低くなったり、肥育豚では採食量の減少により、増体量が低下するので防暑対策を徹底する。

   ・牛舎と同様の防暑対策を行うとともに、豚舎を開放し通風乾燥に努める。

   ・肥育豚は飼育密度を少なくする。

   ・ふん尿をこまめに搬出する。

(3)鶏

   ・気温が上昇すると採卵鶏では産卵率や卵重の低下、ブロイラーでは増体量の低下が起こるので、鶏舎の断熱材や寒冷紗の設置により輻射熱を遮断する。

(4)飼料作物

  (1)とうもろこし

   ・ソルガムに比べ耐干性に弱く、土壌の乾燥が続くと下葉の枯れ上がりにより収量が低下するので、転作田やかん水施設のある畑ではかん水を行う。

   ・サイレージ用の収穫適期は黄熟期であるが、干害により萎れて生育の回復が困難と判断されるものについては早目に収穫し、利用する。

   (2)ソルガム類(ソルゴー・スーダングラス)

   ・耐干性は強いが、土壌の乾燥が続く場合にはとうもろこし同様の対策が必要である。

   ・幼植物には青酸含量が多いため、草高60cm以上になってから利用する。

   ・一番草の刈取り高さは地上10cm程度とし、二番草の再生を促す。

農作業中の熱中症に注意

 

暑熱環境下での農作業は、熱中症(熱射病、熱けいれん、熱まひ等)を発症しやすいので次の事項に注意してください。

・日中の気温の高い時間帯を外して作業を行うとともに、休憩をこまめにとり、作業時間を短くする等、作業時間を工夫する。水分をこまめに摂取し、汗で失われた水分を十分に補給する。特に、気温が著しく高くなりやすい施設内での作業では、十分に注意する。

・帽子を着用するとともに、汗を発散しやすい服装をする。作業場所には日よけを設ける等、できるだけ日陰で作業するように努める。

・作業施設は遮光や断熱材の施工等により、室内温度が著しく上がらないようにするとともに、室内の換気に努める。